
太陽光発電って、設置したら終わりじゃないんです。実は、その後の『使い方』で、得られる効果がまったく変わってきますよ!
「太陽光発電を導入すれば、電気代がタダになるんでしょ?」そう考えていませんか?実は、太陽光発電はただ設置するだけでは、そのメリットを最大限に活かすことはできません。
このシステムは、導入して終わりではなく、その後の「使い方」によって、得られる効果が大きく変わってきます。
この記事では、多くの人が陥りがちな太陽光発電の3つの勘違いを解説。あなたの家が、単なる発電所ではなく、災害に強く、家計にも優しいスマートな家になるためのヒントをお伝えします。
太陽光発電が持つ「2つの顔」
太陽光発電には、多くの人が思い浮かべる「メリットの顔」と、あまり知られていない「もう一つの顔」があります。
ほとんどの人は、太陽光発電の素晴らしいメリットだけを見ています。
- 「電気代が安くなる!」
- 「環境に優しい!」
- 「電気を売って収入になる!」
もちろん、これらは間違いではありません。しかし、その「メリットの顔」だけを信じてしまうと、後になって「こんなはずじゃなかった…」と後悔することにつながるのです。
ここからは、あなたが知っておくべき太陽光発電の「もう一つの顔」、つまり多くの人が陥る3つの勘違いについて、一つずつ見ていきましょう。
勘違い1: 「電気代がタダになる」



太陽光発電の電気は、あくまで『自分の家で作った電気』です。電力会社から買う電気を減らせますが、完全にタダになるわけではありません。
「太陽光発電を導入すれば、毎月の電気代がゼロになる」――そう考えている方がいますが、これは大きな勘違いです。そして意外なほどに、こういった誤解をされているお客さまは今も一定数いらっしゃいます。
電気代がゼロにならない理由


太陽光発電は、太陽が出ている昼間にしか発電できません。夜間はもちろん、雨や曇りで発電量が少ない日は、これまで通り電力会社から電気を買う必要があります。そのため、電気代が完全にゼロになることはほとんどありません。
仮に太陽光や蓄電池で電気が賄なえたとしても、電力会社からの請求はゼロにはなりません。「基本料金」という、電気の使用量がゼロでも必ず発生する費用があるからです。
発電量が不安定な時の電気の動き


太陽が出たら常にフル稼働で電気が作られるわけではありません。太陽が昇り始めた時や、夕方は発電量が低下します。発電量が少ない時にエアコンを入れるなど、家の中の電気の使用量が太陽光で創った電気よりも多くなると、その分は電力会社から購入した電気で補われることになります。これが、曇りや雨の日だったら昼間も同じように発生します。
太陽光発電の本質は、「電気を創って売ること」から「電気を創って使うことで、電力会社から買う量を減らすこと」へとシフトしています。電気料金が高騰している今、この「減らす」効果こそが、最大のメリットと言えるのです。
勘違い2: 「売電価格が高いからお得」



少し前の時代なら正解でした。でも、今は状況が大きく変わっています。売るより、自分で使う方が断然お得ですよ。
一昔前、太陽光発電は「電気を売って収入を得る」という側面が強く、投資商品として導入されることがよくありました。FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)によって、電力会社が比較的高額な単価で電気を買い取ってくれたからです。そのため、いかに多くの電気を売るか、つまり「節電」を頑張って売電収入を増やすことが当たり前でした。
しかし、この状況は大きく変わりました。FITの売電単価は年々下落し、今や多くの電力会社の電気料金単価を下回るようになっています。これからの時代、太陽光発電の最大のメリットは、「自分で創った電気を自分で使う(自家消費)」ことにあります。
自分で創った電気を家で使えば、その分の電気代はゼロです。売電単価が低くなっている今、電気料金が高騰している電力会社から電気を買う量を減らす方が、家計にとって大きなメリットとなるのです。
昔の導入が本当に”お得”だったのか?


「昔に太陽光を導入した人は、高額な売電収入を得ていて羨ましい」そう思う方もいるかもしれません。しかし、実はそう単純ではありません。
確かに昔は売電単価が高かったものの、太陽光発電システムの導入費用そのものが今よりはるかに高価だったのです。当時は今の2倍から3倍の費用がかかることも珍しくありませんでした。
これからの太陽光はこんなに違う


現在は売電価格が下がった一方で、太陽光発電システムの価格も大幅に下落しました。そのため、金銭的なメリットの「率」で言えば、昔と今で大きな違いはないのです。むしろ、導入費用が下がった分、太陽光発電を始めるハードルは格段に低くなっていると言えるでしょう。
勘違い3: 「蓄電池は必要ない」



太陽光だけで十分…そう考えるのは、せっかく作った電気の『使い道』を半分しか考えていないようなものです。
太陽光発電の導入を検討されている方から、「蓄電池は高額だし、まずは太陽光発電だけでいいですよね?」と聞かれることがよくあります。しかし、現在の電力事情やライフスタイルを考えると、太陽光発電だけでは『もったいない』と感じてしまうかもしれません。
太陽光発電は、日中に発電した電気を家庭で使うか、電力会社に売るか、どちらかしかできません。ここで「蓄電池」という選択肢を加えるだけで、作った電気の使い道は大きく広がります。
非常時にも安心できる「もう一つのライフライン」


近年、災害による停電が頻発しています。太陽光発電システムだけでは、停電時に家全体で電気を使うことはできません。しかし、蓄電池があれば、昼間に発電した電気を貯めておくことができるため、夜間や停電時にも冷蔵庫や照明、スマートフォンなどを動かすことができます。
売電よりもお得な「自家消費」


以前は、売電単価が高かったため、余った電気は売るのが当たり前でした。しかし、現在は電気代の高騰により、「電力会社から買う電気」の方が「売る電気」よりも高くなっています。蓄電池に電気を貯めて、電気代の高い夕方や夜間に使うことで、電気を売るよりも大きな経済的メリットを得られるのです。
工事費用を抑えるなら「セット導入」が賢い選択


蓄電池の導入を後回しにすると、太陽光発電の設置工事費とは別に、蓄電池単体の設置工事費が発生します。つまり、太陽光と蓄電池、それぞれに工事代が二重でかかってしまうことになります。一方、太陽光と蓄電池をセットで導入すれば、工事を一度で済ませられるため、別々に設置するよりも費用を割安に抑えることができます。
勘違い4: 「メンテナンスは不要」



太陽光発電は設置したら終わりではありません。車が定期的な点検を必要とするように、太陽光パネルもメンテナンスをすることで、その性能を長く保つことができます。
「太陽光パネルは一度設置すれば、メンテナンスは特に必要ない」と考えている人もいますが、これも大きな勘違いです。太陽光パネルや周辺機器は、風雨にさらされ、常に働き続けています。そのため、以下の理由から定期的なメンテナンスが欠かせません。
発電効率の低下を防ぐ


パネルの表面に、砂やホコリ、鳥のフンなどが付着すると、発電効率が低下します。パネルの表面は非常に滑らかなため、汚れは雨で洗い流されるように設計されており、大掛かりなパネル清掃が頻繁に発生することはありません。
しかし、それでも専門家による目視チェックと、誰もチェックしないのとでは安心感は大きく異なります。
パネル表面の問題だけでなく、電気的な側面からのチェックも重要です。電圧の測定などを定期的に行うことで、トラブルを未然に防ぎ、かつ早い段階で対処することができます。これにより、太陽光や蓄電池をより長く、安心して使うことができるでしょう。
故障や事故のリスクを低減する


パネルの配線やパワーコンディショナ(電気を変換する機器)に異常がないかを確認することも重要です。点検を怠ると、機器の故障や、最悪の場合、火災などの事故につながるリスクも否定できません。プロによる定期的な点検は、機器を安全に長く使うために必要不可欠です。
まとめ:太陽光発電は「賢い使い方」で価値が倍増する



太陽光発電は『設置して終わり』ではなく、『設置してからが本番』です。この記事でお伝えした4つのポイントを意識するだけで、あなたの暮らしはもっと豊かになりますよ!
太陽光発電は、ただ設置するだけでなく、「どう使うか」が非常に重要です。
- 「電気代がタダになる」と期待するのではなく、「電気代を賢く減らす」と考える。
- 「売電価格が高いからお得」ではなく、「自家消費で賢く節約する」と考える。
- 「蓄電池は必要ない」と決めつけず、「セットで自家消費を最適化する」と考える。
- 「メンテナンスは不要」ではなく、「定期的な点検で性能を維持する」と考える。
この4つのポイントを意識するだけで、あなたの太陽光発電システムは、家計に優しく、非常時にも頼りになる、本当の意味での「スマートなエネルギー源」となるでしょう。
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