悩める人オール電化って、なんだか電気代が高そう…。ガスを使わない生活って不便じゃないの?
オール電化という言葉はよく聞くけれど、その仕組みや本当のメリット・デメリットについては、意外と知らないことが多いですよね。中には「うちはオール電化だけど、ガスも使ってるよ」と誤解されている方もいらっしゃいます。
この記事では、現役のエキスパートが、オール電化の定義から、その本当のメリット・デメリット、そしてどんな人にオール電化が向いているのかを分かりやすく解説します。
あなたの家は「オール電化」?意外と知らないその定義





オール電化って、実は結構あいまいな言葉ですよね。『ガスを使ってないからオール電化?』『エコキュートがあるから?』――あなたの家が本当にオール電化なのか、一緒に確認してみましょう。
「オール電化」という言葉は浸透していますが、「何をもってオール電化なのか」を正確に理解している人は少ないかもしれません。
- オール電化とは「エネルギー源の一本化」
- 家の中で使うすべてのエネルギーを、ガスから電気に一本化した状態を指します。
- 家の中で使うすべてのエネルギーを、ガスから電気に一本化した状態を指します。
- 勘違いポイント
- ご自宅にガス配管があったとしても、ガス会社との契約がなく、ガスコンロやガスストーブを使用していない場合は、オール電化といえます。しかし、エコキュートやIHクッキングヒーターを導入していても、乾太くんのようなガス乾燥機を使用している場合は、ガスのご契約が必要となり、厳密にはオール電化とは言えません。
この章で、読者が自身の住宅がオール電化か否かを判断できるように促します。
そもそもオール電化住宅とは?



オール電化住宅の本当の定義は、『光熱費を電気に一本化した家』です。そして、その中心となるのがエコキュートとIHクッキングヒーターなんです。
オール電化住宅とは、調理・給湯・冷暖房など、家で使うすべてのエネルギーをガスから電気に一本化した住宅のことを指します。
では、ご家庭でガスを活用している機器は何かというと、一般的には「ガス給湯器」と「ガスコンロ」です。ご家庭によってはガス暖房やガス乾燥機を使用しているケースもありますが、ここではガスを利用する代表的な機器として、ガス給湯器とガスコンロを例に挙げます。
この2つのガス機器を電気に置き換えるということは、以下の2つの機器を導入するということです。
- 給湯:エコキュート
- 調理:IHクッキングヒーター
この2つを導入し、給湯や調理にガスを使わなくなった状態を、一般的にオール電化住宅と呼んでいます。んでいます。
なぜガスを併用している人がいるのか?


「うちはオール電化住宅だけど、ガスコンロも使っている」という話を耳にすることがあります。これは、オール電化の料金プランと、オール電化住宅の定義を混同しているケースです。
多くの電力会社では、エコキュートを導入している家庭向けの料金プランを「オール電化プラン」と呼んでいます。これは、夜間の電気料金を安く設定することで、お湯を沸かすエコキュートの電気代を抑えることを目的としているからです。
そのため、エコキュートさえ導入していれば、ガスコンロやガス乾燥機を併用していても、この「オール電化プラン」に加入することはできます。つまり、「オール電化プラン」に加入しているからといって、必ずしも「厳密な意味でのオール電化住宅」であるとは限らないのです。
オール電化にする3つのメリット



オール電化にすると、光熱費が安くなるのはもちろんですが、それ以外にも、日々の暮らしがより安全で、安心できるものになるんです。
オール電化住宅は、初期費用がかかるというイメージが先行しがちですが、それを補って余りあるメリットがあります。ここでは、特に重要な3つのメリットをご紹介します。
メリット1:光熱費が安くなる


オール電化の最大のメリットは、トータルの光熱費を安くできることです。多くの電力会社は、オール電化住宅向けの専用プランを用意しています。これらのプランは、夜間の電気料金が非常に安く設定されているため、電気代が高い日中を避けて、エコキュートでお湯を沸かしたり、蓄熱暖房機を動かしたりすることで、家計への負担を大きく減らすことができます。
また、ガスを全く使わなくなるため、ガスの基本料金を支払う必要もなくなります。これまでは、電気とガスの両方の基本料金を支払っていましたが、オール電化にすることで、この二重払いを避けることができ、より光熱費を抑えられます。
メリット2:火を使わない安心感


IHクッキングヒーターは、火を使わずに調理ができるため、火災のリスクを大幅に減らせます。また、ガスコンロと違って調理中に火が燃え広がる心配がないので、高齢の方やお子さんがいるご家庭でも安心です。調理中の室温も上がりにくく、夏場のキッチンでも快適に過ごせます。
メリット3:災害時の安心


地震や台風などで停電が起きた場合でも、オール電化は非常に心強い存在です。エコキュートのタンクには、常に数百リットルのお湯が貯められているため、非常時には生活用水として活用することができます。また、太陽光発電や蓄電池を導入していれば、停電時でも電気を使うことができ、さらなる安心感が得られます。
知っておきたいオール電化のデメリット



オール電化には多くのメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。導入してから『こんなはずじゃなかった』と後悔しないためにも、あらかじめ知っておきましょう。
オール電化住宅は、光熱費削減や安全性の面で優れていますが、一方で、ライフスタイルや家族構成によっては不便に感じることがあります。
デメリット1:初期費用が高い


オール電化にするためには、ガス給湯器やガスコンロを、エコキュートやIHクッキングヒーターに買い替える必要があります。これらの機器は比較的高価なため、導入にはまとまった初期費用がかかります。しかし、長期的に見れば、光熱費の削減分で十分に元が取れるケースがほとんどです。
デメリット2:停電時のリスク


オール電化住宅は、すべてのエネルギーを電気に頼っているため、停電時には機器が使えなくなるというリスクがあります。IHクッキングヒーターが使えなくなり、料理ができない、エコキュートが動かずお湯が使えない、といった事態が考えられます。ただし、太陽光発電や蓄電池を導入することで、このリスクを大幅にカバーできます。
デメリット3:お湯切れのリスク


エコキュートは、夜間の電気代が安い時間帯にお湯を沸かし、タンクに貯めておく仕組みです。そのため、昼間に来客があって大量にお湯を使ったり、家族がお風呂に続けて入ったりすると、タンクのお湯が足りなくなり、「お湯切れ」を起こす可能性があります。この場合、沸き増し機能を使ってお湯を沸かすことになりますが、割高な日中の電気料金がかかってしまうため注意が必要です。
まとめ:どんな人がオール電化に向いている?



オール電化は万能ではありません。しかし、あなたのライフスタイルに合っていれば、これほど賢く、快適な暮らしはありません。大切なのは、メリットとデメリットを理解し、賢く判断することです。
オール電化住宅のメリット・デメリットを解説してきましたが、最終的に「オール電化が向いているかどうか」は、あなたの暮らし方次第です。
オール電化が特に向いている人
- 昼間は留守がちで、夜間に電気を多く使う人: 夜間の電気代が安いプランを最大限に活用できます。
- ガスや火を使うことに不安がある人: IHクッキングヒーターの安全性の高さは大きなメリットです。
- 災害への備えを重視する人: 停電時にお湯が使える安心感は、何物にも代えがたいでしょう。
- 新築やリフォームを検討している人: 既存のガス設備を撤去する費用が不要なため、導入費用を抑えられます。
オール電化が向いていない人
- ガスコンロでの調理に強いこだわりがある人: IHクッキングヒーターでは再現が難しい調理法もあるため、ガス火に慣れている人には不向きな場合があります。
- 日中も頻繁に電気を使う人: 日中の電気料金が割高なため、使い方によっては電気代が高くなる可能性があります。
オール電化は、ただ光熱費を安くするだけでなく、「安心・安全で、災害にも強い」という価値を提供してくれます。
ライフスタイルや価値観に合わせて、メリットとデメリットを比較検討し、賢い選択をしてください。もし判断に迷うことがあれば、専門家への相談が、あなたの暮らしに合った最適な答えを見つける一番の近道です。




コメント