悩める人太陽光って、結局どうやって電気代が安くなるの?



設置したら自分で何か操作するの?
太陽光発電は、「屋根にパネルを乗せておけば勝手に電気ができる」というイメージがあるかもしれません。しかし、その裏側には、光のエネルギーを効率よく家庭で使える電気に変換するための、緻密な仕組みが詰まっています。
この記事では、太陽光パネルで発電された電気が家庭で使えるようになるまでの流れと、システムを構成する主要な4つの機器の役割を、専門知識がない方にもわかりやすく解説します。
1. 太陽光って設置すると何ができるの?



太陽光発電の最大のメリットは、自宅の屋根が『小さな発電所』になることです。電気代が安くなる、というぼんやりしたイメージを、具体的なメリットに変えていきましょう。
太陽光パネル(ソーラーパネル)を屋根に設置するということは、自分の家が「発電所」になるということです。
自分の家で電気を作って、自分たちで使う。まさに自家発電・自家消費を実現できます!しかも、火力発電のように石油といった資源を調達する費用も不要で、太陽が昇るのを待つだけで電気が生まれます。
太陽光発電を設置すると、具体的に以下のことができるようになりますので見ていきましょう。
最大のメリット:電気代の節約になる


太陽が昇りパネルに光が当たると発電が始まり、その生み出した電気はまず優先的に家の中で消費されます。照明、エアコン、テレビなど、家中で電気を使っているすべての機器に、この自家発電した電気が供給されます。
これにより、日中の電力会社から電気を買う量を減らすことができ、毎月の電気代の節約に直結します。一時的に太陽光の発電量よりも家の消費量が上回った場合のみ、電力会社から補完的に電気を購入する仕組みです。
- 電力会社からの電気への切り替えは手動?
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お客様からよく「太陽光の電気が足りなくなったとき、電力会社からの電気に何か切り替えたりするの?」という質問をいただきます。
結論から言うと、お客様自身で何か手動でスイッチを入れたり切ったりする手間は一切ありませんのでご安心ください。
一時的に太陽光の発電量よりも家の電気の消費量が上回った場合のみ、自動で電力会社から補完的に電気を購入する仕組みになっています。これはすべてシステムが自動で行ってくれます。
余った電気を売ることができる


発電量が家庭の消費量を上回った場合、余った電気(余剰電力)は電力会社へ売ることができます。(自動で売られますので、お客様が何か操作をする必要もありません)。
「電気はその場に留めておくことが不可能」という特性があります。ソーラーパネルで創られた電気も例外ではなく、その場に滞留し続けると発熱や漏電の原因となります。そのため、余った電気は家の外の電線に流し(逃し)てあげる必要があり、それが必然的に売電となるのです。


最近は、「売電はしなくていい」とおっしゃるお客様が非常に多いです。もし売電量を少なくしたい、あるいは夜間にも太陽光で創った電気を使いたい場合は、太陽光とセットで蓄電池の購入も検討しましょう。
蓄電池は、電気を貯める大きなバケツのようなものです。余った電気をためて、夕方以降にバケツから電気を取り出して有効活用できます。
昔ほど売電単価は高くないですが、それでも一定期間、ある程度の量を売電すればそこそこの収益となります。この収益を、月々の電気代に充当することで、家計への負担をさらに軽減できます。
【衝撃の真実】電気代の構造を知ればわかる!太陽光発電の削減効果



電気代が高いのには理由があります。払う電気代が『基本料金』だけではないからです。この構造を知れば、太陽光発電の削減効果の大きさに驚くはずです。
ほとんどの方は、毎月の電気代がどのように決まっているのかを詳しく知りません。実は、電気料金は以下の4つの要素から構成されています。
| 料金の要素 | 概要 | 太陽光発電との関係 |
|---|---|---|
| ① 基本料金 | 契約しているアンペア数など、電気を使わなくてもかかる固定費 | 削減効果なし |
| ② 電力量料金 | 使用した電気の量に応じてかかる料金 | 使用量に比例して削減 |
| ③ 燃料費調整額 | 原油や天然ガスの価格変動を反映した料金 | 使用量に比例して削減 |
| ④ 再エネ賦課金 | 再生可能エネルギー普及のために、全国民が負担する料金 | 使用量に比例して削減 |
電気代削減効果の秘密は「掛け算」にある


ここで注目すべきは、②電力量料金、③燃料費調整額、④再エネ賦課金の3つです。これらの料金は、すべて「使用した電力量」に単価が掛けられて計算されています。
つまり、太陽光発電を設置して自宅での「トータルの使用電力量」が下がれば、その分だけすべての項目で自動的に削減効果が生まれるということなのです。
トータル削減額=(削減できた使用電力量)×(②の単価+③の単価+④の単価)
高騰している③燃料費調整額や、支払い義務がある④再エネ賦課金まで同時に下げられるのが、太陽光発電を導入する最大のメリットです。
蓄電池で削減効果をさらに高める


太陽光発電は日中にしか発電できませんが、蓄電池を設置することで、この削減効果を夜間まで広げることができます。蓄電池は、日中に余った無料の電気を貯めて、電気代の高い夕方から夜間にかけて使用できます。
夜間における電力会社からの「買う電気」の使用量を最小限に抑えるため、②電力量料金~④再エネ賦課金までの削減効果を、最大限に高めることが可能になります。
太陽光発電の仕組み:電気を使うまでの3ステップ


太陽光パネルで発電された電気は、そのままでは家庭のコンセントでは使えません。発電から家庭で使える電気になるまでには、主要な3つの機器を経由します。
① 太陽光パネル(ソーラーパネル)
- 役割: 太陽光を受けて電気を作る(発電機)。
- ポイント: パネル1枚では電力が足りないため、複数枚を屋根に並べて発電量を増やしています。ただし、ここで作られる電気は、「直流(DC)」という方式です。家の中の電気は「交流(AC)」ですので、このままでは使うことができません。
② パワーコンディショナー(パワコン)
- 役割: 直流の電気を交流に変換し、パネルからの電気を一つにまとめる(システムの心臓部)。
- ポイント: パワコンは、パネルで作られた直流電気を、家庭で使える交流電気(AC)に変換する必須の機器です。また、複数のパネルから来た電気を一つにまとめる接続箱の役割も担うものが主流になっています。発電効率の最大化や、電力系統を守るための安全機能も果たします。
③分電盤(ぶんでんばん)
- 役割: パワコンから来た電気を、家全体に分配する。
- ポイント: 建物内の各部屋のコンセントや照明に電気を分配する、いわゆるブレーカーボックスです。太陽光で発電した電気を使う分と、余った電気を電力会社へ売電する分を、ここで振り分けています。
蓄電池を設置した場合の電力の流れ





太陽光だけでは日中の電気しか賄えませんが、蓄電池があれば夜間や災害時も安心です。つまり、『電気の自給自足』の完成ですね。あとは、どのタイミングで導入するのが一番お得かを考えるだけです。
蓄電池は太陽光発電システムとは別の機器ですが、セットで設置することで、電力の流れがさらに最適化され、節約効果が高まります。
- 蓄電池がない場合
発電した電気は「自家消費」されるか、「売電」されるかの二択です。夜間は電力会社から電気を買うしかありません。 - 蓄電池がある場合
- 日中の発電した電気は、まず家庭で消費されます。
- 余った電気は蓄電池に充電されます。
- 夜間や雨の日など発電できない時間に、蓄電池に貯めた電気を放電して使用できます。
これにより、電力会社から電気を買う量を最小限に抑え、電気代の節約効果を最大化できます。
まとめ:仕組みを知って、より賢く活用しよう
太陽光発電の仕組みはシンプルです。パネルで直流の電気を作り、パワコンで家庭用の交流に変換し、分電盤で家中に送る、という流れです。
この基本的な流れを知っておくことで、蓄電池の導入時期や、システム構成を検討する際に、専門業者との会話がスムーズに進みます。


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