
A社は100万円なのに、B社は150万円…なんでこんなに違うの?
「とにかく安く導入したい!」と考えるのは当然です。しかし、太陽光発電や蓄電池の世界では、「安さ」には隠された理由があることがほとんどです。この記事では、なぜ価格に差が生まれるのか、そして「激安」の裏に潜むリスクを解説します。
はじめに:「安い」は甘い罠?物価高騰時代だからこそ潜むリスク





物価は上がるのに給料は据え置き…少しでも安く導入したい!
電気代が高騰し、日々の生活が圧迫される中、太陽光や蓄電池の導入を検討する人が増えています。そんな状況で、他社よりもはるかに安い「激安価格」を目にしたら、誰もが心惹かれるものです。
しかし、安さには必ず理由があります。
スマートフォンを思い浮かべてみてください。見た目は同じでも、中古品や型落ち品は安く買えますが、バッテリーの持ちが悪かったり、保証がなかったりしますよね。太陽光や蓄電池も同じです。
「安さ」は確かに魅力的に映りますが、その裏には、あなたの暮らしや将来に大きな影響を与える「甘い罠」が隠されているのです。
なぜ「激安」が存在するのか?3つの理由



見た目の安さだけで飛びつくと、後から気づけない大きな落とし穴にハマってしまいます。これからお話しする3つの理由を、必ず心に留めておいてください!
「他社より数十万円も安いなんて、どうして?」
その安さには、必ず理由があります。ここでは、激安価格を提示する業者が、どのような方法でコストを削減しているのか、その裏側にある3つの理由を解説します。
理由1:人件費の削減


太陽光や蓄電池は、家電とは違い工事が伴う商品です。家電であれば、どこで買っても品質は変わりませんが、太陽光は工事を行う職人の腕によって、品質に大きな差が出てしまいます。
10年以上工事を行ってきたベテランの職人さんは、安心して任せられますが、彼らには相応の費用(お給料)を支払う必要があります。しかし、激安業者は人件費を削減するため、アルバイトのような経験の浅い職人を雇ったり、太陽光工事に精通していない下請けに依頼したりすることがあります。結果として、ずさんな工事につながり、あなたの家に悪影響を与えかねません。
理由2:安価な部材の利用


お客様には馴染みがないかもしれませんが、太陽光パネルや蓄電池本体以外にも、工事には「現地調達部材」と呼ばれる電線や配管などが使われます。これらの部材はメーカーから仕入れるのではなく、建材店から購入します。
当然、部材にはグレードがあり、安価なものは品質も低い傾向にあります。太陽光や蓄電池は10年、15年、長い場合は30年以上使い続けるシステムです。目先の安さのために安価な部材が使われてしまうと、長期間安心して使い続けることが難しくなります。
理由3:目先の現金がほしい


これは、要は自転車操業に陥っている企業です。
自転車操業とは、借金を返済するために新たな借金をして、借金で借金を返すという不健全な経営状態を指します。このような企業は、目先の現金がどうしても必要なため、自分たちの提案が赤字になると分かっていても、契約さえ取れれば一時的に現金が入るため、強引な価格で提案してくることがあります。
企業経営で言えば、これは非常に不健康な姿です。もし会社が倒産してしまった場合、メーカー保証があっても、窓口となる業者がなければ修理対応などがスムーズに進まなくなってしまいます。
激安業者と契約するとどうなるか?後で後悔する3つのパターン



安さに惹かれて契約した方から、後悔の相談をいただくことが少なくありません。トラブルを避けるために、具体的なリスクを知っておきましょう。
「安さ」に惹かれて契約してしまうと、後で大きなトラブルに発展するケースが少なくありません。ここでは、よくある3つの後悔パターンを解説します。
パターン1:手抜き工事で性能が出ない


「安さ」を追求するために、工事に十分な手間と時間をかけず、経験の浅い職人が施工するケースがあります。その結果、以下のような問題が発生します。
- 発電量が少ない:パネルの設置角度や配線に問題があり、期待していた発電量が出ない。
- 雨漏り:屋根に穴を開ける際の防水処理が不十分で、後々雨漏りが発生する。
- 機器の早期故障:配線が適切に行われておらず、システムに負荷がかかり、パワコンや蓄電池が早く壊れる。
パターン2:連絡が取れない、保証が機能しない


工事が終わったら、それでおしまいではありません。機器の故障や不具合はいつ起きるか分かりません。激安業者は、アフターフォローの人件費を削っていることが多いため、以下のような事態が起こります。
- 連絡先が不明になり、トラブルが発生しても対応してくれない。
- サイトに記載されている保証内容が虚偽で、いざというときに保証が受けられない。
- 故障した際に、メーカーではなく業者独自の保証となるため、修理が遅れたり、高額な費用を請求されたりする。
パターン3:追加費用で結局高くなる


見積もり金額は安かったのに、工事が始まってから「これは追加料金です」と高額な費用を請求されるケースも報告されています。
- 「足場代は含まれていませんでした」
- 「配線工事が複雑だったので、追加費用がかかります」
- 「古いパワコンの撤去費用は別でした」 このような予期せぬ出費で、最終的には適正価格の業者よりも高くなってしまうことがあります。
安いには理由がある!その理由を直接聞いてみよう



金額の安い・高いは、必ず理由があります。あなたの『なぜ?』をそのままにせず、しっかり質問してみましょう。その質問から、良い業者かどうかがわかりますよ!
「A社は100万円なのに、B社は80万円。なぜこんなに安いんですか?」
見積もりをもらった後、価格差に疑問を感じたら、ためらわずに業者に直接聞いてみましょう。この質問は、相手の対応や回答から、その業者が信頼できるかどうかを見極める絶好のチャンスです。
チェックポイント1:明確な答えが返ってくるか?


弊社の場合は、メーカーと大量に契約しているため、製品の仕入れ値を抑えることができています。
うーん、他社さんが高いだけじゃないですかね…
明確かつ合理的な理由を説明してくれる業者は、価格設定に自信と透明性があります。逆に、曖昧な回答や他社を批判するような返答をする場合は、注意が必要です。
チェックポイント2:メリットだけでなく、デメリットも話してくれるか?


この製品は価格は安いですが、容量が少し小さいので、使い方によっては電気代を賄いきれない可能性があります。
とにかく安くて、メリットしかないですよ!
価格が安いことのメリットだけでなく、その製品やプランのデメリットも正直に話してくれる業者は、顧客の利益を第一に考えている証拠です。
価格の裏にある理由をしっかりと理解することで、表面的な「安さ」に惑わされず、本当に価値のある選択ができるようになります。
安心して依頼できる業者の見極め方



価格の安さに惑わされないことが大切だと分かったら、次は『人』と『信頼』で業者を選びましょう。これが、後悔しないための最後の砦です!
「価格の安さだけで判断してはいけない」ことは理解できたものの、ではどうやって「良い業者」を見つければいいのでしょうか?ここでは、価格以外で信頼できる業者かどうかを判断するための3つのポイントを解説します。
ポイント1:見積もりの内訳が明確か


信頼できる業者の見積もりは、「太陽光発電システム一式:200万円」のような大まかな表記ではありません。
製品代、工事費、申請代行費用、足場代など、何にいくらかかるのかが細かく記載されています。内訳が明確であれば、後から不透明な追加費用を請求される心配もありません。
ポイント2:説明が丁寧で納得できるか


質問に対してきちんと答え、メリットだけでなくデメリットも正直に話してくれるかも重要な判断基準です。
- 「うちの製品は発電効率が良いです!」というメリットだけでなく、「ただし、この屋根の形状だと少し発電量が落ちる可能性があります」といったデメリットも伝えてくれる
- 質問した内容をうやむやにせず、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる
デメリットを話すことは、一見すると契約につながりにくくなるように思えるかもしれません。しかし、契約後のトラブルを未然に防ぐことにもつながります。会社としてもお客様としても、お互いにわだかまりがない状態で長くお付き合いしたいと考えるのは当然のことです。ネガティブな情報でも正直に説明してくれる企業は、本当にお客様のことを考えている証拠です。
ポイント3:実績と専門性があるか


その会社がどれくらいの期間、どのくらいの件数の施工を行ってきたのか、実績と経験も確認しましょう。公式サイトの施工事例や、実際に契約した人の口コミや評判をチェックしてみるのも有効です。また、会社の設立年数も、経営の安定性を判断する目安の一つになります。
正直なところ、実績に関してはホームページに詳細な件数が記載されていない場合もあります。多くの優良企業は毎日工事を行っており、毎月実績を更新するのは手間がかかるため、「数千件以上」といったように含みを持たせて記載しているケースもあれば、あえて記載していないケースもあります。もし気になる場合は、遠慮せずに担当者に直接聞いてみるのが一番確実な方法です。
まとめ
太陽光発電や蓄電池は、決して安い買い物ではありません。だからこそ、「とにかく安く」という気持ちになるのは当然のことです。しかし、その安さには必ず理由があり、後になって大きな後悔につながるリスクが隠されていることをご理解いただけたのではないでしょうか。
「激安」の裏に潜む3つのリスク
- 人件費の削減:経験の浅い職人による手抜き工事で、雨漏りや機器故障のリスクが高まる。
- 安価な部材の利用:見えない部分で低品質な部材が使われ、システムの寿命が短くなる。
- 目先の現金がほしい:経営が不安定な業者で、万が一のときに連絡が取れなくなる。
大切なのは、価格の安さだけで判断せず、「総合的な価値」で判断することです。今回ご紹介した「見積もりの内訳」「担当者の対応」「実績」といったポイントをしっかり見極めることで、あなたの家に最適な、そして長く安心して付き合える業者を見つけることができます。
「良い業者」を見つけるには、複数の会社から見積もりを取り、比較検討することが最も有効な手段です。ぜひ、後悔しない選択のために、一歩踏み出してみてください。
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